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2018/02/22

J2昇格への展望。リーグ開幕戦を前にFC琉球・金鍾成監督インタビュー

開幕を前に熱のこもった練習を続けるFC琉球

「インタビューする前に荷物車を取りに行っていいですか?」。

 

初夏を感じさせる晴天下。今シーズンのJ3リーグ開幕を間近に控えたFC琉球は、3月11日の初戦を前に連日トレーニングを行っている。琉球には決まった練習場を保有していないため、県内で練習できる場所を転々としている。そのため、トレーニングで使用する道具は毎日ワゴン車に出し入れしながら持ち運びをする。その車を毎日移動させているのが琉球の金鍾成監督だ。

「J1の監督になればこういうことせずに済むんだけどね(笑)。この環境に満足しちゃいけない」。J1もJ3も同じプロリーグではあるが、その環境は歴然としている。選手も自ら道具運びや片付けをすることも当然であり、そうやってやりくりをしながら来シーズンのJ2昇格、そしてJ3優勝を目指している。開幕まで3週間を切った中、現在のチーム状況について金鍾成監督に話を聞いた。



監督が実力を認める沖縄出身で大卒ルーキーの徳元悠平

「仕上がり状況は、試合をしていないので良いか悪いかはまだ判断できないところではあるんですが、選手たちは会話をしながらいろいろと求めているものがあってレベルを上げようというモチベーションをもってやっている。早く試合がしたいと思っているでしょうね。あと選手も入れ替わりコミュニケーションの部分も重要ではあるんですが、そこはしっかりできているかなと思います。ノリ(藤澤典隆)やナベ(田辺圭佑)、(才藤)龍治らが抜けて、今年は枝本(雄一郎)、播戸(竜二)といった選手が入ってきた。これだけでもチームの雰囲気が変わるのは当たり前で、つまりはサッカーも変わるということ。主観的な判断として常に変わっていきながらチームはできていくものだと思っているので、たしかに去年の主力は向けましたが現状としてポジティブに見ています」。

自主トレの合間、カメラにサインを送る2年目・新井幹人

―1月中旬からの1ヶ月間、沖縄でキャンプを行うJリーグチームとのトレーニングマッチを積み重ねレベルアップを図ってきましたが、今後開幕までの期間は実践形式がなかなかできない状況となります。その間での調整はどのように考えているのでしょうか?―

「正直、難しい3週間ですよね。開幕まで圧力のかかる試合がなかなかできない状況なわけですから。ただ、選手に試合を待たせるのではなく課題に向かわせるようにすることが大事だと思います。トレーニングマッチで格上のチームと良い試合ができたからこれからはコンディションを整えて開幕を迎えようというふうには考えていません。日々のトレーニングでまだまだやらなければいけないことがいっぱいある。選手たちには開幕まであと何日しかないと焦らせるぐらいの課題を突き付けてチームと個人のレベルアップに向かわせるようにするのがこれから3週間のやるべきことだと思います。

練習後、播戸竜二(左)にアドバイスを送る金鍾成監督

バン(播戸竜二)は独特のポジションを取ることがあって、去年の琉球は相手に攻め込まれたら全員が自陣に戻る共通意識が選手にあった。しかしバンは敵陣でボールが来るのを待っている。他の選手から見れば何で自陣に戻らないんだと思うかもしれない。ただバンにはバンの考えがあって、それをどのように擦り合わせるのかという点でもその課題を克服する必要があるでしょう。上手くハマるかもしれないしハマらないかもしれない。けれども琉球のスタイルはこのような形だからこう動いてくれとは言わず、チーム全体がコミュニケーションを取り合ってより良い形を見出すことが重要と言えるでしょう」。

沖縄出身の3年目・上門知樹は強い覚悟と自覚を持ってプレーする

―今年に入り急成長している選手は?―

「(上門)知樹が意識を高めているなと。1年目、2年目を踏まえ今年結果を残さないと来年は無いなと本人も思っているかもしれませんね。あと中川(風希)がトレーニングマッチで点を取っていて今年は少し良いかなと思います」。

 

 

 

―ノルウェーから来た新外国人のカルボン・ファーデルの存在はチームにどう影響しそうですか?―

「まだふたを開けていませんが、カルボンは凄いことになっちゃうかもしれませんね(笑)。チームにハマらなかったとしてもやりきれる力がある。チームにハメようと考えずある程度自由にやらしたほうが生きるかなと練習見ててそう思います。彼のスキルを最大限に生かせる方法を考えたとき、ワンボランチにしたりいろいろな形を試しながら探っているところです。ノルウェーでは3トップの外側をやっていたというので、プレーの中いつまで外に張るのか、はたまたどのタイミングで内側に入り込むのか、その判断はカルボンに任せています」。

―新戦力の高栁昌賢もトレーニングマッチで結果を残していますし、今年は前線に活きのいい選手が揃っていますね。―

「お金持ちになった気分です(笑)。去年にはなかった速い、でかい、強いといった選手がいるのが今年の特徴。選手が変わればサッカーも変わるわけで、いろんな形を見出してくれると思うので楽しみにしています。あとバンの存在もチームに好影響を与えている。彼がピッチに入ればガラッと雰囲気が変わるし、試合を見ているお客さんもきっとそれを感じ取ることができるでしょう」。

練習後のコミュニケーションは欠かさない金鍾成監督

―金監督にとって3年目のシーズンとなりますが、どのような意気込みで開幕を迎えたいと考えていますか?―

今年はJ2に上がらないと、ということを求められている実感があります。もちろん『琉球と言えば攻撃的で楽しいサッカー』を目指すことに変わりはないが、今みんなが求めているのが理想のサッカーの追求以上に結果を残すことなんですよね。J2、J1をステップアップしていく中で琉球のスタイルを見出せていければと思います。あと琉球というよりも沖縄のサッカーを変えたい。具志堅用高さんも『沖縄のボクシングは相手をノックアウトすることだよ』とおっしゃっているじゃないですか。選手、スタッフ、指導者が変わっても『沖縄といえば攻撃サッカー』というイメージを持たせるぐらいの影響をもたらしたいですね。理想の追求を探りつつもJ2昇格という結果を残すことが今年の目標です」。

 

3月11日の開幕戦に近づくにつれて琉球の気持ちは高まり続けている。2016年8位、2017年は6位と着実にステップアップし続ける中、金鍾成体制3年目の琉球は「琉球昇竜」のクラブスローガンの下、J2昇格が可能な2位以内に入るという明確な形を追い求める。

(文・写真)仲本兼進

1978 年生まれ。琉球放送(RBCi ラジオ)に11 年間勤務し、音楽・健康情報・報道などの番組制作を担当。2003 年にサッカーFC 琉球の応援番組の制作を機にスポーツ取材に力を入れ、バスケットボールや高校野球などに密着。その経験から2013 年にフリーのライターとして活動。現在は執筆のほかラジオ番組の制作・出演、スポーツ実況、WEBディレクターとしての顔を持つ。



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