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2018/02/20

「文武両道を求め、沖縄からプロを目指せる形を示したい」。FC琉球高等学院・李済華学院長に訊く

沖縄市に開校する学校の写真を見せるFC琉球・倉林啓士郎社長と桑江朝千夫沖縄市長

2月6日。JリーグのFC琉球は沖縄市役所で会見を開き、2018年4月にクラブチームが運営する学校「FC琉球高等学院」を沖縄市に新規開校することを発表した。これまではクラブが企業や教育機関と提携を結び、高校年代の選手に対しサッカーが集中できる環境を与えるケースは存在していたが、Jリーグチームが単独で学校経営を行うのは初めてのケースで、地域におけるサッカーを核としたスポーツ文化の確立を見出そうとしている。



FC琉球高等学院では高校に在籍しながらサッカーを中心軸としプロ選手を目指せるスポーツコースと、高校卒業資格取得をバックアップし進学や就職のサポートをする普通科コースが設けられる。スポーツコースの学生はクラブの下部組織にあたるユースチーム「FC琉球U-18」に所属し、トップチームとともに練習を行いながら経験を積んでいき、実力が認められれば在学中にFC琉球でプロ選手としてデビューすることが可能となる。また今後の展開として、高体連に加盟申請し、インターハイや冬の選手権を目指すサッカー部の設立も視野に入れているという。高校の卒業資格に関しては鹿島朝日高等学校と教育連絡し、レポートの提出や面接指導、単位認定テストによって必要単位を取得し資格を得る形となる。

開校に至った経緯を話す李済華学院長

今回の学校の設立には2015年からクラブのGMに就任した李済華(リ・ジェファ)氏の理念が大きく影響している。学校の教員経験のある李氏は、1995年からサッカーの名門「國學院久我山高校サッカー部」の外部コーチを経てその後監督に就任。在任期間中には全国選手権、インターハイそれぞれで6回出場に導いている。また元日本代表でFC東京DF丸山祐市をはじめ、田邉草民(FC東京)、富樫佑太(FC琉球)、名倉巧(ヴィ・ファーレン長崎)らプロ選手を輩出した。

「限られた時間の中で豊かな想像力を育み、それを表現できる喜びを子供たちに伝えたい」。指導者であり教育者である李氏は、高校年代までに自立できる人間に育ってほしいという考えを持っている。「15歳で義務教育を終わり、その後は多様な選択肢から道を探っている子供達が多くいると思います。今まではスポーツは部活という形で行われていましたが、スポーツを軸にしながら勉強も同じレベルで両立させたい。生涯、文武両道を目指せるようFC琉球高等学院でその礎を築いてほしいと願っています。私はスポーツの世界でいきてきた人間ですのでそのノウハウやスポーツの社会的影響、人格形成においてその経験と知識を与え、立派な社会人になるべく3年間で身に付けてほしいと思っています」。

 

李学院長の夢が形となり、発表の席上で倉林社長と笑顔を見せるシーンも見られた

また李氏は学校を通じて沖縄のサッカー界全体の発展につなげていきたいという考えも持っている。「私は高校生たちをJリーガーと一緒に練習をさせ、サッカーを中心にした学校教育を作りたいという思いが長年あり夢でした。ただそれを確立させるには文武の文の部分も重要です。海外に行きたくても外国語がしゃべれないといけないですよね。あとバルセロナの試合を見てそれをレポートにすることもカリキュラムの一つだったりします。サッカーを通して勉強するモチベーションにもつなげてもらいたいですし、それが大学の進学にもつながる。あと選手になるだけでなく様々な分野に貢献できる人材の育成にもなります。そういった環境と時間を与え、沖縄でサッカーに軸に取り組んでもらえればと思います。沖縄には良質な芝や年中暖かい環境が備わっています。Jリーグチームが学校運営にかかわることで子供たちはプロになる夢に向けてのモチベーションに直結することでしょう。沖縄県は中学の有望選手が県外の学校に流出するケースが多く見られますが、この学校で頑張ればJリーガーになれるんだ、沖縄からでもプロ選手を目指せるんだという形を示したいですね」。

FC琉球高等学院は、ただ単にサッカーができる環境を与えるのではなく、文武両道を基軸に自立心を育てる場として設立に至った。文が武を助け、武が文を助けるという相乗効果の理念を長年持ち続けた李済華学院長は沖縄という土壌で信念を貫く。

(文・写真)仲本兼進

1978 年生まれ。琉球放送(RBCi ラジオ)に11 年間勤務し、音楽・健康情報・報道などの番組制作を担当。2003 年にサッカーFC 琉球の応援番組の制作を機にスポーツ取材に力を入れ、バスケットボールや高校野球などに密着。その経験から2013 年にフリーのライターとして活動。現在は執筆のほかラジオ番組の制作・出演、スポーツ実況、WEBディレクターとしての顔を持つ。



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